「会議のあと、議事録づくりに毎回30分〜1時間かかってしまう」——多くの会社員が抱える悩みです。AIを使えばこの時間を減らせそうですが、「勝手に録音していいの?」「会議の内容を外部サービスに入れて大丈夫?」という不安もついてきます。
この記事では、録音や情報漏えいのリスクを避けながら、AIで議事録づくりを楽にする手順を紹介します。いきなり録音から入らず、まず安全に始められる方法から順に説明します。
この記事でわかること:
- AIが議事録づくりで得意なこと・苦手なこと
- 録音の前に必ず確認したい3つの注意点
- 手書きメモをAIで議事録に整える手順(安全でおすすめ)
- 文字起こしを要約する場合の注意点
- そのまま使える議事録の「型」
結論:AIは「要点の整理」が得意。録音より先に確認を
先に結論をお伝えします。
- AIは、バラバラのメモを、読みやすい議事録の形に整えるのが得意です。
- 一方で、録音や、会議内容を外部サービスに入れることには、会社のルールや情報管理上の注意が必要です。
- そのため、いちばん安全で始めやすいのは、自分がとったメモをAIに整えてもらう方法です。録音は、確認事項をクリアしてから検討します。
「AIに全部お任せ」ではなく、「自分のメモを、AIに清書してもらう」——この考え方が、安全と時短の両立につながります。
前提・用語
- 対象:個人向けの汎用AIチャット(ChatGPTやClaudeなど)で、議事録づくりを補助する場面
- 対象外:法的な録音可否の判断、特定の有料文字起こし製品の推奨、法人向け導入
- 基準日:2026年7月14日
- やさしい用語説明:
- 文字起こし:音声を文章に変換すること。手作業のほか、AIや専用サービスが自動で行う場合もあります。
- 議事録:会議の目的・決定事項・宿題(次にやること)などを記録した文書。
- プロンプト:AIへの指示文のこと。
録音の前に確認したい3つの注意点
タイトルにもあるとおり、ここがこの記事のいちばん大切な部分です。録音を始める前に、次の3つを確認してください。
1. 会社のルールを確認する
まず、勤務先に会議の録音や、外部AIサービスの利用に関する規程がないかを確認します。会社によっては、録音を禁止していたり、指定ツール以外の利用を認めていない場合があります。ルールが不明なときは、自己判断せず、上司や情報システム部門に確認してください。
2. 参加者への配慮・同意を考える
録音は、その場にいる人に関わることです。無断での録音は、参加者との信頼関係を損なうことがあります。録音する場合は、会議の冒頭で目的を伝え、了解を得るのが基本です。とくに社外の人が参加する会議では、相手側の考えも尊重してください。
なお、録音が法的に許されるかどうかは、状況や地域によって異なります。本記事は法的な判断を示すものではありません。判断に迷う場合は、会社の規程を優先し、必要に応じて社内の担当部門に相談してください。
3. 機密情報を外部サービスに入れない
会議の内容には、未公開情報や個人情報が含まれがちです。録音データや文字起こしをそのまま外部のAIサービスに入れると、情報管理上の問題につながる可能性があります。
個人情報を含む内容の扱いには、法令上の注意も必要です。関連する法令・ガイドラインの確認先として、個人情報保護委員会の公式一覧を参照してください(2026年7月20日確認)。この考え方は、関連記事「会社の情報を生成AIへ入れてよい?初心者向け安全チェック」で詳しく説明しています。
この3つを確認せずに録音・入力へ進むのは避けましょう。次からは、より安全に始められる方法を紹介します。
方法A(おすすめ):手書きメモをAIで議事録に整える
いちばん安全で、すぐ始められるのがこの方法です。会議中に自分でとった短いメモを、AIに議事録の形へ整えてもらいます。録音せず、機密情報を避けて練習できます。
手順
- 会議中は、決定事項・宿題・数字を中心に、短くメモする
- メモから、社名・個人名などを伏せる(練習では架空名に置き換える)
- AIに「議事録の形に整えて」と頼む
- 出てきた文章を、自分で確認して仕上げる
練習用プロンプト(架空例)
次のメモを、社内会議の議事録に整えてください。出力形式:1. 会議名・日時(メモにあれば)2. 参加者3. 決定事項(箇条書き)4. 宿題(担当と期限がわかるように)5. 次回までの確認事項条件:- メモにない事実は追加しない- 不明な点は「未定」と書く- 固有名詞は追加しないメモ:架空の商品Aの問い合わせ対応について会議。営業2名サポート2名。よくある質問を3つ選ぶことに決定。回答担当は来週までに決める。オンライン開催。次回は再来週の予定。
仕上げで確認すること
- 決定事項と宿題が、正しく分かれているか
- 担当者や期限が、メモの内容と合っているか
- AIが勝手に決定事項を増やしていないか
この方法なら、録音せず、機密情報も避けながら、議事録づくりの時間を短くできます。
方法B:文字起こしをAIで要約する(注意点が多い)
録音・文字起こしをしてからAIに要約させる方法もあります。長い会議では便利ですが、前半で説明した3つの確認をクリアしていることが前提です。
手順の例
- 会社のルールと参加者の了解を確認したうえで録音する
- 文字起こしをする(自動サービスを使う場合は、そのデータの扱いを公式で確認する)
- 機密情報・個人情報を削除・置き換えてから、AIに要約させる
- 要約と文字起こしを照らし合わせて確認する
練習用プロンプト(架空例)
次の会議の文字起こし(架空)を、議事録に要約してください。出力形式:決定事項/宿題(担当・期限)/保留事項条件:発言にない内容は追加しない。個人名は「担当者」に置き換える。文字起こし:(ここに、機密情報を除いた架空のやり取りを貼る)
この方法の注意点
- 自動文字起こしには変換ミスがあり、数字や固有名詞が誤って記録されることがあります
- AIの要約は、発言にない内容を混ぜることがあります。必ず元と照合してください
- 自動サービスにデータを預ける場合、そのデータがどう扱われるかを事前に確認してください
- 会議の音声そのものに機密が含まれるため、扱いは方法Aより慎重にする必要があります
そのまま使える議事録の「型」
AIに頼むときも、自分で書くときも、次の型を意識すると議事録が安定します。
- 会議名・日時・参加者
- 目的(何のための会議か)
- 決定事項(決まったこと)
- 宿題/ToDo(誰が・いつまでに・何を)
- 保留・次回への確認事項
とくに大事なのは、「決定事項」と「宿題」を分けることです。この2つが明確な議事録は、会議後に人が動きやすくなります。AIに頼むときも、この形式を指定すると読みやすくなります。
メリットとデメリット
AIで議事録を作るメリット
- バラバラのメモを、短時間で読みやすい形に整えられる
- 「決定事項」「宿題」など、抜けやすい項目を型で押さえられる
- 清書の負担が減り、会議直後の疲れた時間を節約できる
デメリット・リスク
- AIや自動文字起こしは、事実や数字を間違えることがある
- 録音・外部入力には、会社ルールや情報管理上の注意が必要
- 発言にない内容が、要約に混ざることがある
- 確認を省くと、誤った議事録が正式記録として残る恐れがある
向いている人・向いていない使い方
この方法が向いている人
- 議事録の清書に毎回時間がかかっている人
- まずは録音せず、安全な方法から試したい人
- メモはとれるが、読みやすくまとめるのが苦手な人
避けたほうがよい使い方
- 会社のルールを確認せずに録音する
- 参加者に無断で録音し、外部サービスに入れる
- 機密情報や個人情報を、そのまま文字起こしサービスやAIに入れる
- AIの議事録を、確認せずに正式記録として配布する
よくある質問
Q1. 会議を録音してAIに任せれば、議事録づくりはゼロになりますか?
A. ゼロにはなりません。録音には会社ルールや参加者への配慮が必要で、AIの要約にも確認が欠かせません。「清書と整理を助けてもらう」道具と考えるのが現実的です。まずは録音しない方法Aから始めるのがおすすめです。
Q2. 自動文字起こしサービスを使えば安全ですか?
A. 便利さと安全性は別の話です。サービスにデータを預けることになるため、そのデータがどう扱われるかを公式案内で確認し、機密情報は入れないようにしてください。会社が利用を認めているかも確認が必要です。
Q3. 議事録の個人名は、どう扱えばいいですか?
A. 練習や外部AIへの入力では、「担当者」「参加者A」などに置き換えるのが安全です。正式な議事録に実名を残すかどうかは、会社の慣行に従ってください。
Q4. AIが作った議事録は、そのまま配布していいですか?
A. おすすめしません。決定事項・担当・期限・数字を必ず確認し、誤りを直してから配布してください。AIの出力の正確さは、人が確認する必要があります(OpenAIの利用規約でも同様に案内されています)。
まとめ:まずは録音せず、メモの清書から始める
- AIは、メモを議事録の形に整えるのが得意。まるごとお任せではなく「清書係」として使う
- 録音の前に、①会社ルール ②参加者への配慮・同意 ③機密情報を外部に入れない、を確認する
- いちばん安全なのは、自分のメモをAIに整えてもらう方法A
- 文字起こしの要約(方法B)は便利だが、確認事項をクリアしてから慎重に
- 「決定事項」と「宿題」を分けるのが、役立つ議事録のコツ
今日の一歩は、いきなり録音することではありません。まずは過去の会議メモ(または架空のメモ)を1つ用意し、この記事のプロンプトでAIに議事録へ整えてもらってください。清書の速さを実感できるはずです。
情報の入れ方に不安がある場合は、関連記事「会社の情報を生成AIへ入れてよい?初心者向け安全チェック」を先に読んでおくと安心です。
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注意事項・免責
- 本記事は、AIを使った議事録づくりの一般的な方法を紹介するものです。会議の録音の可否や方法は、勤務先の規程・状況・地域により異なります。本記事は法的な判断・助言を示すものではありません。判断に迷う場合は、会社の規程を優先し、必要に応じて社内の担当部門や専門家に相談してください。
- AIや自動文字起こしの出力には、変換ミスや事実と異なる内容が含まれる場合があります。決定事項・数字・固有名詞は必ず人が確認してください。
- 機密情報・個人情報・認証情報を、外部のAIサービスや文字起こしサービスに入力しないでください。個人情報の取り扱いは関連法令にも注意が必要です。
- AIサービスや文字起こしサービスの機能・データの取り扱い・料金は変更される場合があります(本記事は2026年7月14日時点の一般的な説明です)。
- 本記事には、現時点でアフィリエイトリンクを掲載していません。
参考情報
以下は2026年7月14日に確認しました。海外サービスの案内には英語ページを含みます。
| 資料名 | 発行・運営主体 | URL | 確認日 | 使用箇所 |
|---|---|---|---|---|
| Prompt engineering best practices for ChatGPT | OpenAI | https://help.openai.com/en/articles/10032626-prompt-engineering-best-practices-for-chatgpt | 2026-07-14 | 出力形式の指定、具体的な指示 |
| ChatGPT Capabilities Overview | OpenAI | https://help.openai.com/en/articles/9260256-chatgpt-capabilities-overview | 2026-07-14 | 要約・整形などの用途 |
| Terms of Use | OpenAI | https://openai.com/policies/terms-of-use/ | 2026-07-14 | 出力の正確性、人による確認 |
| 法令・ガイドライン等 | 個人情報保護委員会 | https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/ | 2026-07-20 | 個人情報保護法・ガイドライン等の確認先 |
