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7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」【感想】

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7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」【感想】


第3の習慣は最優先事項を優先するです。第1の習慣、第2の習慣で個人のビジョンリーダーシップについて決めることができたら、それを効果的に実践していくために、セルフマネジメントしていかなければなりません。
それが第3の習慣です。

こんな方におすすめ

  • 誠実な人になり、意志力を発揮する方法がわかる。
  • 毎日問題や締切に追われずに、目標を達成する方法を知る。
  • 部下や他人への効果的な依頼の仕方が具体的にわかるようになる。

7つの習慣


7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」

意志力を発揮しセルフマネジメントする

これまで第1の習慣「主体的である」と第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」を読み、ビジョンとリーダーシップについて学習してきました。

これらが定まれば、ジャングルの例でいえば、生きのびる体力、筋力が身につき、目指すべき遠くに見える目標地がわかった状況で、いかにゴールまで進んでいくかを、選択し決めていくことがこの第3の習慣「最優先事項を優先する」です。

どのようにこの第3の習慣に取り組むかで、ゴールまで1か月で到着できることになるのか、はたまた5年、10年と時間がかかってやっと到着できることになるのか変わってきます。

時間がかかってもゴールに到着できるならまだましかもしれません。

取り組み方によっては死ぬまでゴールに到達できない可能性だってあります

ジャングルでいうと、すぐ前の泥沼にはまってしまい、一生そこから出られないといった状況です。

ゴールに向かって進むために、この本では、人間だけに授けられた4つの能力には「想像」「良心」「意志」「自覚」があると説明されています。

そして第1の習慣「主体的である」には、この4つの能力を全てを駆使することになるということです。

ポイント

人間だけに授けられた4つの能力は「想像」「良心」「意志」「自覚」 。


第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は、つまり知的創造によって、ビジョンを定めることです。
そのためには、4つの能力のうち「想像」「良心」を活用することになります。

そして第3の習慣「最優先事項を優先する」で、セルフマネジメントを行っていくことになります。
ここでは、4つの能力のうち「意志」が必要となります。

そこで、リーダーシップとセルフマネジメントをわかりやすく比較してみると、右脳でリーダーシップをとり、左脳でマネジメントを行うということになります。

これは進むべき方向性やゴールを探すためには、あらゆる想像力やアイデア、発想が必要となるのに対して、効率的に下草を刈る作業や労務管理、進行管理を行うには、実績値、数値、時間等を的確に把握する必要があることをイメージすると、わかりやすいと思います。

ポイント

右脳でリーダーシップ、左脳でマネジメント。

そしてそのセルフマネジメントを行うには「意志」が重要となってくるということです。

毎日の生活の中で「意志」をどのくらい発揮できているかは、「誠実さ」の度合いで図ることができます。

ここでは、「誠実さ」とは、自分自身にどれだけ価値を置いているかということです。

つまり、自分に約束し、それを守る、「言行一致」を意味し、自分を大切にして、自分を裏切らないことです。

ポイント

毎日の生活の中で「意志」をどのくらい発揮できているかは、「誠実さ」の度合いで図ることができる。

ポイント

「 誠実さ」とは、自分自身にどれだけ価値を置いているか、自分を大切にし、自分を裏切らないこと。

ここまでをまとめると、効果的なマネジメントを行うには、「誠実さ」に裏付けられた「意志」によって「最優先事項を優先する」ことが重要になってくるということになります。

リーダーシップの仕事は、「優先すべきこと」は何か決めることで、マネジメントの仕事はその大切にすべきことを、日々の生活の中で優先して行えるようにすることになります。

そして自分を律して実行することがマネジメントになります。

ポイント

リーダーシップの仕事は、「優先すべきこと」は何か決めることで、マネジメントの仕事はそれを「優先して行えるようにする」こと 。

参考

「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」
感情を抑え、最優先事項を優先するには、目的意識と使命感が要る。第2の習慣で身につけた明確な方向感覚と価値観が要る。

時間管理のマトリクス

効果的なマネジメントを行うため、つまり「最優先事項を優先する」ための、シンプルで強力なツールがこの本で紹介されています。

これまでの時間管理ツールの歴史を振り返ると、第一世代はメモ、チェックリスト、第二世代は予定表、カレンダーであったといえます。
どのツールも私たちが、今でも日々使っているものですよね。

第三世代は、この第一世代と第二世代の両方のツールに、優先順位づけや、価値観の明確化を追加して考えていくことになります。
これも意識して、メモやカレンダーに色や記号を変えて記すことで行っている人も多いかと思います。

そしていよいよ、ここでこの本で紹介されている第四世代のツールが登場してきます。

それが時間管理のマトリクスです。
以下の図で表されます。

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この図では、縦軸が重要性、横軸が緊急性の度合いを表しています。
つまり左にあるものほど、緊急性が高く、上にあるものほど重要性が高いということになります。

そして、この図を4つの領域に区分して、第1領域から第4領域までに分けて考えるというものになります。
日々のタスク、物事を、それぞれ、重要度と緊急度の度合いからこの4つの領域に分けて記していくことになります。

そしてこの本では、重要度が高く、緊急度の低い、第2領域の活動に時間をかけて取り組むことが最も大切なことであるといっています。

ポイント

第2領域の活動の時間を増やすことが大切。

多くの人が第1領域にいるとこの本ではいわれています。

第1領域の人とは、すなわち、緊急の用事ばかりに反応する人、危機に追われる生き方、問題ばかり考え締切に追われる人です。

そして効果的な人は、第3・4領域の活動は避けて行動します。
なぜなら重要ではない活動だからです。

そして、驚くことに、一番大切な第2領域の活動の時間は、勤務時間の5%にしかなっていないという結果も出ています。

ポイント

効果的な人は、重要度の低い第3・4領域の活動はなるべく避ける。

そのため、1日24時間というみな平等に与えられた時間の中で、第2領域の活動時間を増やしていくためには、第1、3、4領域の活動の時間を減らしていき、その時間を第2領域の活動にあてるようにする必要が出てきます。

いかに第2領域以外の活動時間を減らすか、緊急の用事などもある中で難しい場合もあります。
そこで、この本では、第2領域の時間を捻出するためには「No」と言う必要もあるということが指摘されています。

これは、たとえ緊急な用事であっても、自分でなくてもできるようなことは「No」と言って断り、他の人に頼むとか方法は作り出せます。
また、緊急で重要度も高い用事がたくさんあり、自分で全て抱え込んでしまっている、といった場合は、無理なことや、キャパオーバーの場合は「No」と断る必要があります。

そして、次の人へ委任するというデリゲーションも効果的に生きるためには大切なことになってきます。

参考

第三世代の時間管理ツールに多くの人が抵抗感を覚えるのは、一つには自主性が奪われるからである。融通がきかず、身動きがとれなくなるからだ。人間よりもスケジュールが優先されるという、本末転倒の状態である。それは、時間管理の第三世代のパラダイムは「効率重視」であり、人はモノより大切であるという原則に反しているからだ。

デリゲーション

ものごとを成し遂げるには、自分で成し遂げるか、他の人にまかせて成し遂げるかのどちらかの方法しかありません。

そして、ここでは他の人にまかせて成し遂げるというデリゲーションについて紹介していきます。

デリゲーションとは、委任を意味します。
仕事においても、部下に仕事をまかせたり、あるいは委託として一部の業務を外部に発注する場合もあるでしょう。
これがいわゆるデリゲーションということになります。

デリゲーションは2つの種類に分けられます。
「使い走りのデリゲーション」と「全面的なデリゲーション」です。

これは言葉のとおり、わかりやすいと思います。
「使い走りのデリゲーション」とは、コピーとって資料をホチキス止めしておいて、とか言葉どおりの”使いっ走り”です。
一方で「全面的なデリゲーション」とは、手段や方法は相手に任せて、その結果で評価するという任せ方です。

依頼される側としても、使いっ走りより、自分の得意な方法で自由にやらせてもらって、そのかわり成果品は素晴らしいものを作るといった方がやる気は出ますよね。

この本では、この「全面的なデリゲーション」をいかに活用していくかが解説されています。
そのための前提として、5つの事柄をあらかじめ明確にして、お互い共有しておくことが大切になります。

これは、部下を持つマネージャーや、リーダーにとっては必須の項目なのでよく理解しておいた方がいいです。

その5つの事柄とは「望む成果」「ガイドライン」「リソース」「アカウンタビリティ」「評価の結果」です。

これらを事前に依頼する側と依頼される側で共有することで、「全面的なデリゲーション」を効果的に行うことができます。

それでは順番に見ていきたいと思います。

「望む成果」は、何を達成しなければならないのかを、期限も決めてお互いに理解することです。
「ガイドライン」は、守るべき基準やルールがあれば明確にしておきます。
「リソース」は、望む結果を得るために使える、人員、資金、技術、組織などの資源を明確にします。
「アカウンタビリティ」は、仕事の進捗の報告を求める時期、評価を行う時期を具体的に決めておきます。
「評価の結果」は、良いことも悪いことも具体的に話し、組織全体のミッションに影響する結果かどうか明確にする。

これらの事柄をお互い共有した上で、「全面的なデリゲーション」を行うということになります。
そのためには、依頼する側が、これらの事柄を明確にしておく必要がありますね。
あなたが、依頼する時には、事前にこれらを考えておき明確にしておきましょう。

ポイント

「全面的なデリゲーション」 に必要な5つの共有すべき事柄は、 「望む成果」「ガイドライン」「リソース」「アカウンタビリティ」「評価の結果」 。

参考

全面的なデリゲーションの根底には原則が存在する。だから、誰にでも、どんな状況にも応用できる。任せる相手の能力が未熟なら、望む結果のレベルを下げ、ガイドラインを増やし、リソースを多めに用意し、進捗の報告を受ける機会を頻繁に設け、結果がすぐにわかるようにする。能力の高い者であれば、より高い能力が試されるレベルにし、ガイドラインを少なくし、報告の頻度も減らしてなるべく干渉しないようにし、数値の基準よりも出来栄えの基準を増やせばよい。
効果的なデリゲーションは、恐らく効果的なマネジメントのもっとも適切な先行指標となる。それは、個人および組織の成長に欠かすことのできない基礎となるものである。

7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」 【実践ポイント】

実践ポイント

  • 意志力を発揮する。
  • 時間管理のマトリクスを活用し、第2領域に生きる。
  • 全面的なデリゲーションをする。

7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」 感想まとめ

第3の習慣では、自分がマネージャー、現場監督者として実践していくヒントが多く書かれていました。
右脳でリーダーシップ、左脳でマネジメントを行うは、誰にでもイメージしやすいことですよね。

その際に、自分の大切しているもの、自分との約束を果たす「誠実さ」の度合いが「意志力」の土台となり、「最優先事項を優先」していく。
そして、新世代の第四世代のマネジメントのツールとして、時間管理のマトリクスは、時間軸を多面的に捉えて、モノより人を重視していくことができるツールでした。

この新しい概念をもたらしてくれるツールに、他者への依頼を効果的にする「全面的なデリゲーション」を活用することで、目標達成の可能性が何倍にも高くなっていくことがよくわかる内容でした。
このデリゲーションから、この後に出てくる第4から第7までの習慣、公的成功につながっていくということがイメージしやすくなっていきました。

7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」 評価ポイント

ポイント評価
読みやすさ
実践しやすさ
知識の発見度
構成
総合
7つの習慣

7つの習慣「第3の習慣 最優先事項を優先する」  本の目次

本の目次

<第3の習慣 最優先事項を優先する>
パーソナル・マネジメントの原則
意志の力
時間管理の四つの世代
第Ⅱ領域
「ノー」と言うためには
第Ⅱ領域に入るためには
第Ⅱ領域ツール
第Ⅱ領域をセルフマネジメントする
第Ⅱ領域に生きる
第四世代の利点
デリゲーション:PとPCを高めるために
使い走りのデリゲーション
全面的なデリゲーション
第Ⅱ領域のパラダイム
第3の習慣:最優先事項を優先する 実践編

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