第2の習慣は終わりを思い描くことから始めるです。人は誰しも生まれていつかは死ぬものです。この自然の大原則を前提に、自分がとる方向性や行動を決めていくのがこの第2の習慣です。
こんな方におすすめ
- 人生のゴールを見つけたい人
- リーダーシップとマネジメントについて学習したい人
- 仕事での自分の役割、目標設定を考えている人
7つの習慣「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」
葬儀の言葉を書き出す
いきなりですが、騙されたと思って一度試してみてください。
皆さん、一度深呼吸をして、目を瞑って自分が死んだあとの葬儀をイメージをしてみてください。
その会場には、自分の生前の顔写真と周りには花がたくさんそえられています。
そして多くの参列者がいます。そして、親族、友人、会社時代の同僚等が順に弔辞(ちょうじ)を述べています。
ポイント
自分の葬儀をイメージする。
第2の習慣、終わりを思い描くことから始めるは、この自分の最後をイメージしてこの時、どうなっていたいか、どう言われたいか、このことを考えることになります。
言わば自分の弔辞(ちょうじ)を書き出してみることになります。
「辛くて大変な時でも、周りには優しく接してくれていた人でした」
「会社では後輩の面倒見がよく、相談毎にもいつものってくれて、そのたびに思いつめずに救われていました。」など、まず思いつくままに書き出してみるということです。
案外、面白いものですよ。これまでの苦労や努力、経験、人との関わり合い方、いろいろ想像してみてください。好きな小説やドラマが参考になったりすることもできるかもしれません。
想像なので、自分でストーリーを考えて、こうあっていたい、こう言われたいで十分です。
この葬儀の言葉を書き出せたら、次はリーダーシップのとる方向性を決めていくことになります。
参考
あなたは会場の前方に進んで行き、棺の中を見る。驚いたことに、そこにいたのはあなた自身だった。これは、今日から三年後に行われるあなたの葬儀だ。ここにいる人々は、生前のあなたに対する敬意、愛、感謝の気持ちを表しに来ているのである。
リーダーシップとマネジメント
ここでのリーダーシップは、いわば進むべき方向性を定めてそこに向けて進んでいくことを意味します。
進むべき方向性は、さきほどの葬儀の言葉を書き出すことで、見えてくることになります。
この本では、リ―ダーシップとマネジメントを明確に分けています。
ジャングルの例で説明すると、ジャングルの草むらの中で、下草をいかに効率的に刈ることができるかを管理・指導することをマネジメントといい、木の上に登り、遠くの目標地を見つけ進べき方向を指し示すのがリーダーシップということです。
ポイント
リーダーシップとマネジメントを分けて考える。
そしてまず必要になるのは、リーダーシップで、マネジメントはその次ということになります。
これは、わかりますよね。
ゴールと違う方向にいくら効率的に全力で草を刈って進んでいっても、進む方向が違えば、ゴールからさらに離れてしまうこともあります。
ここでのリーダーシップは、集団の中でのリーダーシップを意味するだけでなく、自分の人生のリーダーシップを自分でとるということも意味しています。
自分の人生というストーリーの脚本家になるということでもあります。
この本ではリーダーシップを定義すると『リーダーシップとはその人の価値と潜在能力を言い当てること』になります。
ポイント
リーダーシップとはその人の価値と潜在能力を言い当てること 。
そこで重要となってくるのが、次のミッションステートメントです。
参考
効率的なマネジメントは揃っているけれども効果的なリーダーシップのない状態は、ある人の言葉を借りれば「沈みゆくタイタニック号の甲板に椅子をきちんと並べるようなもの」である。マネジメントが完璧でもリーダーシップの欠如を補うことはできない。ところが、私たちはしばしばマネジメントのパラダイムにとらわれてしまうため、リーダーシップを発揮するのが難しくなってしまうのだ。
個人のミッションステートメント
ミッションステートメントとは、言わば憲法、理念といったものです。
国には憲法、企業には企業理念といったものがありますよね。
同じように、個人の憲法、理念を掲げて、個人のミッションステートメントを作成することが重要になります。
そして個人のミッションステートメントを作成する時は、まず、第1の習慣で出てきた自分の『影響の輪』の中心から始めなければなりません。
自分の知識、スキル、意欲を習慣化した土台を中心として影響を与えることのできるものを中心に、個人のミッションステートメントを作成することになります。
このミッションステートメントは、個人、家族、組織など、それぞれ作成することができます。
ミッションステートメントを書くコツは、『考えすぎない』『自由に書く』『5分間書き続ける』です。
ポイント
ミッションステートメントを書くコツは、『考えすぎない』『自由に書く』『5分間書き続ける』 ことです。
『自分を動物、車に例えると〇〇』から始めてもいいかもしれません。作成するためのテンプレートも存在します。
無料のAndroid版アプリで7つの習慣がダウンロードできます。
いくつかの質問に答えていくだけで、自分のミッションステートメントを作成することができます。
Google playで7つの習慣を検索してみるとすぐに見つかると思います。
7つの習慣は子育てにも活用することができます。
つまり子どもであっても実践できるのです。
この本で紹介されている事例に、小学校の地域の人に、子どもがどのように育ってほしいか聞いた話があります。
「自発的な人間になってほしい」
「誰とでも仲良くなってほしい」
「目標を設定し自分で解決できるようになってほしい」
「生活のバランスをとり時間を守れるようになってほしい」
「ケンカをせずに公園で遊んでほしい」
といった答えが返ってきました。
成績のことをあげる人は一人もいませんでした。
これらはどれもリーダーシップのスキルで、21世紀を生きるスキルです。
ポイント
リーダーシップのスキルは、21世紀を生きるスキルでもある。
子ども向けの7つの習慣の本を下に紹介しておきます。
リーダーシップの教科書としても世界の多くの学校で導入されている実績があります。
<リーダー・イン・ミー>
世界の2000学校以上に導入された子ども向けの7つの習慣学習本です。
参考
終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには、個人のミッション・ステートメントを書くのがもっとも効果的だ。ミッション・ステートメントとは、信条あるいは理念を表明したものである。個人のミッション・ステートメントには、どのような人間になりたいのか(人格)、何をしたいのか(貢献、功績)、そしてそれらの土台となる価値観と原則を書く。
一人ひとり個性が異なるように、個人のミッション・ステートメントも同じものは二つとない。形式も中身も人それぞれである。
原則中心の役割と目標を設定する
個人のミッションステートメントを作成したら、長期的に目指すゴールと進む方向性が定まったので、中・短期的な日々実践して進んでいく目標を設定する必要が出てきます。
そこで自分の役割と目標を設定して行動していく必要があります。
おすすめは1週間単位の役割と目標を設定することです。
日曜日の夜、30分間、その週の一番重要な自分の役割と目標を設定する。
今週は、仕事のキーパーソンとコミュニケーションをとりここまで話をつめる、とか、あの人とコミュニケーションをとる、とか。
ポイント
日曜日の夜、30分間、その週の一番重要な自分の役割と目標を設定する。
毎日のやることをリスト化して、チェックしている人は多いかもしれませんが、それでは毎日の緊急的な雑事に振り回されているだけの生活の繰り返しに陥ってしまう可能性があります。
1週間単位での役割と目標設定で、より重要な事柄を見定めて、効果的な時間の使い方、行動を考えていくことは大切なことです。
少し抽象的なことになりますが、とても重要なことがあります。
役割と目標を設定する時、自分は何を中心にして、考え、行動しているのかを明らかにしなければなりません。
例えば、仕事中心、家族中心、お金中心、自分中心、他人中心、教会(信仰)中心などです。
通常、これらの中心は重なりあって複数自分の中にあります。
ポイント
自分の中心を知る。
そして、この中心によって、人生を支える4つの要素、「安定」「指針」「知恵」「力」の内容がそれぞれ異なってくることになります。
ここでは長くなるので、紹介しませんが、詳細は本書で確認してみてください。
それぞれの中心を構成する要素について、詳細に具体例が書かれていてわかりやすいです。
この本では、自分の中心が、例えば仕事中心になっている、とかを明らかにするとともに、この中心を『原則中心』にすることの重要性を説明しています。
この『原則中心』とは、自然の原理である原則を中心に考え、行動するということです。
自然の原理とは、例えば、重力によって物は落ちる、人は死ぬ、などです。
もう少し具体的に生活に近づけてみて、『原則中心』を例にあげると、「誠実、正直、奉仕、愛、他者に対する尊敬、公平、忠誠、責任」などがあげられます。
この辺のことは本書よりも、『7つの習慣プライベートコーチ』の方がわかりやすく書いてありました。
下に載せておきます。
<7つの習慣プライベートコーチ レッスン2 ビジョンを描こう>
7つの習慣を各習慣毎に1冊の本にして、わかりやすくコーチングしてもらえるように編集された本です。
そして原則中心になることで、周りに振り回されず、誤った行動もなくなり、正しくゴールへ進んでいくことができるようになる、ということになります。
このような原則中心に考え、行動することが、コヴィー先生が説く「個人主義から人格主義へ」ととく理由であり、人格主義を実践する具体的な行動というのがわかります。
ポイント
『原則中心』とは、自然の原理である原則を中心に考え、行動するということ 。
7つの習慣「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」 【実践ポイント】
実践ポイント
- 葬儀の言葉(弔辞、ちょうじ)を書き出す。
- ミッションステートメントを作成する。
- 1週間に1度、原則中心の役割と目標を設定する。
7つの習慣「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」 感想まとめ
自分の弔辞を書き出すことから始め、ミッションステートメントを作成し、1週間の役割と目標を設定する。
この第2の習慣では、いわば人生を終わりから逆算的に考えて、現在から将来にかけてどのように行動していくかを決定していく、具体的な手法が多く書かれていました。
いずれも1週間に1度程度、30分でもいいので自省して、自分で落ち着いて静かに考え、自分のアクションプランを決める大切さを感じました。
7つの習慣「第1の習慣 主体的である」評価ポイント
ポイント | 評価 |
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読みやすさ | |
実践しやすさ | |
知識の発見度 | |
構成 | |
総合 |
7つの習慣「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」 本の目次
本の目次
<第2の習慣 終わりを思い描くことから始める>
パーソナル・リーダーシップの原則
「終わりを思い描くことから始める」とは?
すべてのものは二度つくられる
描くか委ねるか
リーダーシップとマネジメント:二つの創造
脚本を書き直す:あなた自身の第一の創造者となる
個人のミッション・ステートメント
内面の中心にあるもの
さまざまな中心
あなたの中心を明らかにする
原則中心
個人のミッション・ステートメントを記し活用する
脳全体を使う
右脳を活用する二つの方法
役割と目標を特定する
家族のミッション・ステートメント
組織のミッション・ステートメント
第2の習慣:終わりを思い描くことから始める 実践編