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7つの習慣「第6の習慣 シナジーを創り出す」【感想】

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7つの習慣「第6の習慣 シナジーを創り出す」【感想】


dai6noshukan

第6の習慣「シナジーを創り出す」はこれまで学んできた、私的成功の第1~3の習慣、公的成功の第4~5の習慣をフル活用して最大限効果を発揮させる習慣です。
それが「シナジーを創り出す」です。
シナジーを創り出す 第6の習慣は創造的協力の原則です。


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こんな方におすすめ

  • マネジメントとリーダーシップ能力を身につけたい
  • 考え方の違う他人とうまくやっていく方法
  • 7つの習慣の活かし方を知りたい

7つの習慣


7つの習慣「第6の習慣 シナジーを創り出す」

シナジーを創り出すコミュニケーション

第6の習慣のシナジーを創り出すとは、他者とのコミュニケーションを相乗効果的に展開して、新たな発想や、より高い成果を生み出すということになります。
そのため、この本では、これを「創造的協力の原則」と表現していて、人生においてもっとも崇高な活動である説明しています。

逆に言えばシナジーを創り出せないのは人生の悲劇で、リスクを負ってでもシナジーを起こす価値があると述べられています。

そこでシナジーを創り出すために必要なものは何か?

それが、これまで第1~第5の習慣で出てきた、重要なスキルや概念になります。
①人間だけに授けられた4つの能力(自覚・想像・良心・意志)、②Win-Winの精神、③共感の傾聴スキル、これらを総動員すれば、最高のシナジーを創り出すことができるということです。
いわば、シナジーを原則中心のリーダーシップの神髄、原則中心の子育ての神髄であります。

人間の内面にある最高の力を引き出し、一つにまとめて解き放つ。それがシナジーです。

ポイント

シナジーを原則中心のリーダーシップの神髄、原則中心の子育ての神髄 。

シナジーは、わかりやすく言うと、「1+1=2」ではなく、10、100、1000にもなるということを意味します。

シナジー的なコミュニケーションを図に表すと次のようになります。



<図 コミュニケーションのレベル>

縦軸が信頼で、横軸が協力の度合いを表しています。
そして右上が「シナジー的コミュニケーション(Win-Win)」で信頼も協力も高い状態ということになります。
これはコミュニケーションレベルによって、右上に伸びていく線で表すことができます。

一番レベルの低いコミュニケーションが「防衛的コミュニケーション(Win-Lose、Lose-Win)」で、次が「尊重的コミュニケーション(妥協)」です。
感覚的には、少し大人なコミュニケーションができる人は、合わない人でも、妥協して、尊重的コミュニケーションレベルまではいけると思います。
ただ、 尊重的コミュニケーション は、相手に敬意を払い、反対意見を言って対立することは避けますが、相手の身になって共感するところまでは踏み込めていません。

しかし、相手に共感する、さらに上のレベルが、 シナジー的コミュニケーション ということになります。
いわば、Win-Winの関係を築くコミュニケーションです。

それには、高い信頼と協力が必要ということになります。

ポイント

コミュニケーションレベルは、信頼と協力を軸に 「防衛的コミュニケーション(Win-Lose、Lose-Win)」 、 「尊重的コミュニケーション(妥協)」 、 「シナジー的コミュニケーション(Win-Win)」 へとレベルアップしていく。

参考

人は一度でも本物のシナジーを経験すると、それ以前の自分に戻ることはない。あれほど心が広がり、胸躍る冒険にまた出会えることを確信できるからである。
だからといって、以前に経験したシナジーをそっくりそのまま再現しようとしても、うまくいくものではない。しかし創造的なことを成し遂げようという目的意識ならば、いつでも再現できる。
東洋に「師を真似ることを求めず、師の求めたものを求めよ」という至言がある。これにならえば、過去のシナジー体験を真似るのではなく、それとは異なる目的、より高い目的を達成するための新しいシナジーを求めることができるのである。

第3の案を探す

上のコミュニケーションレベルが、具体的にどう影響するかを、この本ではある家族の事例で説明しています。
事例は、夫婦と子供のいる家庭の長期休暇の過ごし方についての意見の違う案が出た話です。

夫は長期休暇を家族と湖に旅行をして、キャンプと釣りを楽しみたいと思っています。
子供も同じようにバカンスを楽しみたいと思っています。
ところが妻は、病床にある母親を見舞いたいと思っています。

意見の違う、夫婦の休日の過ごし方を、どのように決めていくか。
ここでは、夫婦がWin-Winを考える姿勢、まず相手を理解しようとする努力をしていきます。

夫は母親に会いたい妻の願いを深く理解し、母親の世話を姉に任せきりにしていることに対して、少しでも負担を軽くしてあげたいという妻の思いを察します。
母親がいつまで元気にいれるかわからない状況で、釣りよりも見舞いに行くことが大切なのはもっともだと理解します。

妻のほうも、家族で旅行し、子供たちに一生の思い出に残る経験をさせてあげたいという夫の気持ちを理解します。
そして、夫がバカンスを楽しむための道具を揃え、釣りの教室に通っていたことも知っています。

だから、2人は、お互いの望みを一つに合わせることにします。
向かい合って対立するのではなく、同じ側に立って問題を眺めてみます。

そして両方の希望をかなえられる第3の案を見出す努力をします。

そこで、夫は、週末の家事は引き受け、近日中に妻に母親を見舞いに行ってきてはどうかと提案します。
また、他の案として、妻の母親の家の近くでキャンプと釣りができる場所を探す方法も提案します。

こうして、2人で同じ側に立って問題を眺め、第3の案を出していきます。


という、概要だけをまとめると以上のような話です。
このような夫婦の意見の対立は、よく起こりえることですよね。

この夫婦の例では、日常でシナジーを創り出しています。
このようにシナジーを仕事とかだけでなく、日常でも作りだすことができるということです。

ポイント

お互いの望みを一つに合わせ 、同じ側に立って問題を眺めてみる。そして両方の希望がかなえられる第3の案を見出す。

参考

こうして二人はシナジーを創り出す。話し合いを続けて、お互いが納得できる解決策を見つけ出す。それは最初に出していたそれぞれの案よりも良い解決策になるはずだ。妥協ではなく、二人とも満足する解決策になる。シナジーから生まれる解決策は、PとPCの両方を高めることができるのだ。

違いを尊重する

ここで、ズバリ、シナジーの本質は何かというと、「違いを尊重すること」とこの本では説明されています。

違いを尊重するために、誰もが世の中をあるがままに見ているのではなく、「自分のあるがまま」に見ているということに気づかなくてはいけないと言っています。

つまり、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持って、コミュニケーションによって補っていくことが大切になります。

もし、自分があるがままに世の中を見ている、客観的に見ていると考えているとすると、他者と自分との違いを尊重しなくなり、間違っている人の話など聞くだけ無駄と切り捨ててしまうようになります。

ポイント

違いを尊重することがシナジーの本質であり、 「自分のあるがまま」に見ているにすぎないということに気づかなくてはいけない 。

参考

シナジーの力は実際に存在する。それは正しい原則である。シナジーは、ここまで紹介してきたすべての習慣の最終目的であり、相互依存で成り立つ現実を効果的に生きるための原則なのである。チームワーク、チーム・ビルディング、人々が結束して創造力を発揮すること、それがシナジーである。

7つの習慣「第6の習慣 シナジーを創り出す」 【実践ポイント】

実践ポイント

  • 左脳でマネジメント、右脳でリーダーシップを実践する
  • 信頼と協力を高め、相手への共感まで踏み込んだ、シナジーを創り出すコミュニケーション(Win-Win)を行う
  • 違いを尊重し、「自分のあるがまま」に見ているにすぎないということに気づく

7つの習慣 「第6の習慣 シナジーを創り出す」 感想まとめ

第6の習慣では、シナジーを創り出す事例が家庭から仕事の話まで多く紹介されていました。

シナジーは、なにも仕事やビジネスだけの話ではなく、むしろ、自分自身の中から創り出していくことから始まり、日常、家庭、仕事、社会へとあらゆる場面で創り出していくことができるものであるということです。

そして、このシナジーを創り出すことこそが、これまでの全ての習慣の最終目的であって、これがない人生は悲劇とも言えるということです。

まずは、自ら、右脳と左脳を駆使してシナジーを創り出し、家庭、仕事、社会へと活用の場を広げていければ、どれだけ充実した、楽しく、わくわくする生活になっていくことでしょうか。

7つの習慣 「第6の習慣 シナジーを創り出す」 評価ポイント

ポイント評価
読みやすさ
実践しやすさ
知識の発見度
構成
総合
7つの習慣

7つの習慣 「第6の習慣 シナジーを創り出す」  本の目次

本の目次

<第6の習慣 シナジーを創り出す>
創造的協力の原則
シナジーを創り出すコミュニケーション
教室でのシナジー
ビジネスでのシナジー
シナジーとコミュニケーション
第3の案を出す
ネガティブなシナジー
違いを尊重する
力の場の分析
自然界のすべてはシナジーである
第6の習慣:シナジーを創り出す実践編

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